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「マンション管理を劇的に改善する5つの法則」(馬渕裕嘉志著)
「マンション大規模修繕工事のコストダウンを成功させる7つの法則」(同上)

「マンション管理組合のためのしあわせデザイン通信」

■私の好きな言葉■ 
いつも今日から未来への道が始まる

こんにちは。

「大規模修繕工事は、
色々な工事を一度に頼んだほうが、
スケールメリットが出るので、
割安になるのでは?」
という一般論をよく聞きます。

しかし、最初に結論を言うと、
「その説を信じてはいけない!」
が私の意見です。

正確に言えば、
「分割工事より、一括工事のほうが、
価格上は、スケールメリットが出る」のは
正しいですが、
「だから、修繕積立金の中で収まれば、
工事を一括してやった方が良い」説を
信じてはいけないという意味です。

何故なら、
管理組合にとって、最も重視すべきなのは、
「支出」そのものではなく、
「収支(残高)」だからです。

単純に言えば、将来、収支が赤字になれば、
積立金の値上げが必要で、
黒字ならば、それが不要になります。

つまり、組合にとって重要なのは、
修繕積立金の値上げをできる限り抑制し
ながら、建物を健全に維持することであり、
そのために、大規模修繕工事を考え、
長期修繕計画を立てるべきです。

いささか大胆に言うと、

「大規模修繕工事は、
色々な工事を一度に頼んだ方が良い」
という考えは、
長期修繕計画が、「業界側の売り上げ計画
になっているのでは?」と
疑う要素が沢山あるのです。


このロジックは、
文書で説明するのは難しく、
長期修繕計画のグラフを変化させながら、
ビジュアルで見せるとわかりやすい。

ただ、今回は、メルマガでの解説ゆえ、
昨年、管理会社が提示していた
月額1万8千円の修繕積立金の値上げ
予定を、5000円の値上げ、つまり
当初予定の28%の値上げに抑制できた
マンションの実例で、紹介しましょう。

当時、築12年目、約70戸の名古屋市内
のマンションの例です。

平成29年、このマンションは、
東京に本社のある大手設計事務所と
大規模修繕工事コンサルティングと
長期修繕計画の作成業務を締結。

その後、大規模修繕工事の工事内容は、
内廊下を除くすべての個所を改修として
入札を行い、
最安値が1億3500万円となりました。

しかし、大規模修繕工事の金額が高すぎる
のではないか?と言う話を発端に、
コンサルタントと管理会社と入札最安値
業者(管理会社のグループ会社)との
癒着疑惑が浮上。

組合は、その設計事務所との契約を
途中解約し、
当社とのコンサルティング契約を
締結したという経緯があります。

既に、入札まで終わっており、
コンサルタントに報酬も支払って
いましたので、組合としては、
そこまでの資料をできる限り活用して
欲しいという要望があります。

一般の人から見れば、同じ建物なのだから、
別のプロが見ても、劣化診断結果や改修設
計は概ね同じになると考えますからね。

しかし、実際には、当社の建物調査の結果、
以前のコンサルタントとは全く違う方針になりました。

その主要な点を挙げると。

◎大規模修繕工事のボリューム

従来:一度にまとめてやる。
当社:劣化度に応じて、
時期を分割することも検討する

◎工事周期

従来:12年周期ありき
当社:劣化具合に応じた周期とする

◎建物劣化診断報告書

従来:すぐにまとめてやりましょうの
シナリオ
当社:各所の劣化事象ごとに整理

◎長期修繕計画

従来:今後25年間で、今回の大規模修繕
工事を含めて3回の大規模修繕工事
があり、累計10億円の工事が必要
当社:後述の通り、周期も金額も大幅に
見直し

総じていえば、このマンションでは、
確かに目につくところに、劣化症状があり、
美観面では、そろそろ大規模修繕工事の
時期ですよ、と言われれば、
住民も納得する状態でしたが、
実は、屋上防水やタイルの状態は良い。

それを組合に説明し、
従来の延長で入札をやり直すのではなく、
大規模修繕工事の内容や時期を見直し、
それを長期修繕計画に反映することの
合理性を理解していただきました。

その内容は以下の通りです。

1) 第1期工事(築15年目)
明らかに防水工事を行うべき箇所や
目立って気になる劣化箇所の回復の工事。

2) 第2期工事(築18年目)
足場を掛けて、タイルやベランダ防水を
行う工事。

3) 第3期工事(築20年目)
現在、状態の良い屋上防水の工事。
ただし、屋上は、第2期工事の際に、
状態を見極めて、早めることも検討。

また、端部は第2期工事の際に、
長寿命化の改良工事。

4) 配管工事は、材質を確認し、
適正な工事時期、工事費に是正。

5) 機械式駐車場は、
建替えをせず、現実的なリニューアル計画に変更

6)上記1)~5)を心配なく進めるため
毎年、コンサルタントによる定点観察を行う。
また、その結果、予測より劣化が進んで
いれば、工事時期を早める。

7)このマンションは、エレベーターが
12基あり、共用部の電気もキュービクル
が設置されているなど、設備が多い
マンションのため、向う25年の計画では、
その後に、数値が大きく振れるので、
築60年までの超長期修繕計画に拡張。

なお、第1回目の大規模修繕工事は、
一度にやった場合は、1億3500万円
ですが、3期工事に分けるため、10%
増えると仮定しています。

しかし、第1回目の大規模修繕工事の
合計金額が増えても、今後25年間での
修繕工事の累計で見ると、
従来の計画が10億円に対して、
新計画では、5億3千万円になりました。

ちなみに、10億円に達するのは、
45年後、築60年目です。

両者を比較すると、
必要となる資金が少なくなる分、
修繕積立金の値上げは、従来に比べて、
大きく抑制できます。

つまり、
「一度にまとめてやることによる
スケールメリット」より、
「分割して、適切な時期にやる」方が、
組合にとってのメリットが大きいという
結果になっています。

どうでしょうか?

もちろん、美観も大事だし、
何度も工事をやるのは、
生活上うっとうしい
という気持ちもあるでしょうし、
あるいは、予防保全の観点から、
一度に、全部やるという考え自体を
否定しているわけではありません。

もし、今回のメルマガを読んで、
今の長期修繕計画の作成思想が、
工事をしたい側のロジックかも?
と思われた方は、当社の長期修繕計画の
無料診断を受けられると、
「目からウロコ」になるかもしれませんよ。

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◆発行人
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代表理事マンション管理士 馬渕裕嘉志

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