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「マンション管理を劇的に改善する5つの法則」(馬渕裕嘉志著)
「マンション大規模修繕工事のコストダウンを成功させる7つの法則」(同上)

「マンション管理組合のためのしあわせデザイン通信」vol.163

■私の好きな言葉■ 
ありがとうを伝えるほど,ありがたいことが増える

こんにちは。

前回のメルマガを読むと、
「マンションにとって10年が大切なことはわかった」

「逆に、10年過ぎてからの調査で、
新築時の設計・施工ミスによる不具合が
見つかっても、それは、全部劣化で片づけ
られてしまうのか?」

「築十数年目の大規模修繕工事のため
の建物調査では、新築時の設計・施工
ミスに起因するかも?と言う視点では
見てくれないのか?」

と言う感想が出ると思います。

現状では、ほとんどのマンションで、
「10年目」
が話題に登らないのですが、第1回目の
大規模修繕工事の時期には、それなりに
住民の関心が高まるので、
「10年が過ぎてしまったら…」
の方が、現実的には、救済策情報としての重要性が高いかもしれません。

では、具体的に、どんなケースが考えられるでしょうか?

(ケース1)
「構造スリットが設計図通りに施工されていなかった」

構造スリットは、そのマンションの耐震性
を確保するうえで、非常に重要な要素です。

垂直スリット、水平スリットは、50戸
程度のマンションであれば、数百~千を
超えます。

築14年程度のマンションの大規模修繕
工事の調査で、構造スリットが入っている
はずの箇所のスリットの幅が狭すぎる…

あるいは、見当たらない…。

実は、構造スリットは、表面に見えない
ケースもあるので、目視と触診だけでは
確かなことはわかりません。

そこで、千枚通しを使い、シールに突き
刺し、その深さや先が当たった時の感触を
確かめます。

図面については、設計図段階と竣工図での
違いもあるので、両方を確かめます。

結果、本来あるべきスリットの半分以上
が未施工の疑いがあるとの結論になりました。

これ、大変なことです。

新築時に説明している耐震性が確保され
ていない可能性があるからです。

しかし、何年経っても、実際に大地震が
起きければ、体感することは不可能です。

前回のメルマガで、あるマンションで、
住民が
「10年瑕疵保証期間が過ぎる前に、
専門家に一度、見てもらった方が良いのでは?」
と提案したところ、管理会社から、
「10年間、何もなかった」
「同じ建設会社が建てたマンションで、
瑕疵があったと聞いていない」
を理由に、やらなくて良いですよ!と
アドバイスした話をしましたが、
このアドバイスが、いかに無責任であるか
分かると思います。

さて、話を戻して、構造スリットの未施工
の可能性があるとの調査結果をすぐに、
このマンションの販売会社と建築会社に連絡。

図面や調査表を揃えて提示したので、
その2社も本格的に動かざるを得ません。

この2社の調査の結果も、やはり未施工が
ある可能性は高いとの結論。

その後、機材を持ち込んでの本格的な調査
となり、表面に見えない箇所も、サンプル
調査を行った結果、未施工箇所が増加。

恐らく、400か所近い未施工があるだ
ろうという結論に達しました。

この後、8カ月に及ぶ交渉・施工へと
続き、最終的には、新たに構造スリットを
敷設し、住民の不安が解消される結果と
なりますが、その話を書くと、それだけで
メルマガ2,3話のボリュームなので、
今回は触れません。

この話のポイントは、10年の瑕疵保証
期間を過ぎても、新築時の設計又は施工に
不具合があり、それが、マンションの
居住者の身体や生命にかかわる安全上の
問題であれば、
「不法行為に基づく損害賠償」
として、20年の時効が適用され、
交渉の余地がありますよ!ということです。

(ケース2)
「タイルの浮きが、非常に多かった」

タイルは、建築基準法上、
「何年間は落ちてはいけない」
「築年数に対して、浮きは何%以下でなければならない」
という規定はありません。

JIS規格にもないし、メーカーが、保証
もしません。

ただ、タイル浮きの限度の判断で、よく
使われるのは、1年×0.5%という数値。

これを超えると異常。

私の経験でも、第1回目の大規模修繕工事
では、3%程度以下で収まるケースが殆どです。

従って、タイルの浮きが、これを大きく
上回ったり、特定の面のみ、大きな浮きが
あり、広範囲に剥落しかねない症状があれ
ば、新築時の施工に問題があったのでは?と疑います。

あるマンションで、実際に、築13年目で
全体的な浮きも多いことに加え、東面のみ
約18%もの浮きが見つかりました。

また、浮いている箇所のタイルをめくると
新築時の施工時に、問題があったと考えら
れるような不始末の形跡。

こちらのマンションでは、施工の元請会社
とタイル施工専門会社との立会を行い、
最終的には、大規模修繕工事前に予測して
いた最大値を超えるタイルの補修工事に
ついて、工期延長費用・追加タイル費用・
施工費用を建築会社に負担してもらいました。

このように、大規模修繕工事の際の調査で
も、「新築時の不具合があるかも!」
という視点で臨むと、「瑕疵」(欠陥)
とまでは行かなくても、設計の配慮不足や
施工不具合が見つかることは、少なくありません。

当社は、マンションの販売側である、
ディベロッパー、建築会社、管理会社とは
明確に一線を画し、組合のために、過去に
数多くの戦いをしてきました。

できれば、事あるごとに、最新情報を発信
して、啓蒙活動をしたいのですが、
「問題のあるマンション」
の風評が立たないよう、問題が発覚しても
その解決後、相当に長い期間が立ってから
初めてこうして、メルマガに書く次第です。

本日の結論は、
10年の瑕疵保証期間を過ぎても、
不法行為に基づく損害賠償の20年の時効
もあるので、第1回目の大規模修繕工事で
新築時の設計・施工の不具合をしっかり
見ることが大事!

また、それを強く支援してくれる専門家を
コンサルタントとして選ぶのが重要!

というお話でした。

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◆発行人
(一社)マンション管理相談センター
代表理事 マンション管理士 馬渕裕嘉志
   
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